田沼意次の長崎貿易の奨励とインフレの到来

長崎貿易の奨励

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株仲間の公認が田沼の政策のメインですが、他にもいろいろなことをしました。たとえば、幕府の専売で、幕府がみずから商売をしたりもしました。銅、鉄、真鍮から朝鮮人参の販売まで手広くやっていて、すべて儲けは独り占めでした。

 

田沼意次の長崎貿易の奨励とインフレの到来

 

金、銀の流出を食い止めるために、長崎貿易を縮小していた日本ですが、頭の回転が速い田沼は逆に長崎貿易を増大させました。つまり、金や銀で決済をするのではなく、銅で支払えばいいのです。これなら金銀を海外に流出させず、大きな商売ができます。

 

清との貿易では、俵物といって、中国料理の原料となるイリコ、ホシアワビ、フカヒレなどを売って、その代金を金や銀を使わず銅で支払ってもらうようにしました。また、蝦夷地(北海道)に最上徳内を派遣して探検させましたが、これはロシア人との貿易をすすめることを考えていたからです。

 

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インフレがやってくる

 

これまでを見ていると、幕府はつねにお金に困っているイメージですね。なぜそんなにお金が必要なのかというと、それは江戸幕府が高度官僚社会だったからだと考えられます。大老や老中になってくると、幕閣なので国元での収入があります。なのでそこまでお金はかからないのですが、問題は、旗本や御家人、同心、与力といった裾野の武士たちは官僚なので、幕府は彼らを養わなければなりません。

 

高度官僚社会とは、保つのにかなりのお金がかかるのですが、これは今の日本と同じで、費用はかかっても長続きするのが特徴です。そんななか、田沼は農民から無理矢理お米を徴収するのではなく、商売人からお金をとっていくという方法を選びました。現在まわっているお金でやりくりをして、幕府の取り分を増やしていくので、発行量を上げて価値を落とすこともありません。単に幕府が儲かるだけなので、一見、完璧に見えます。

 

 

しかし、ここで大きな問題が起こります。株仲間を認めると、認められた商人は当然独占販売をし、値段をつり上げるようになります。たとえば、安売りをなぜするのか、考えてみてください。お客様の喜ぶ顔が見たい、というだけの理由で安売りをする商売人はいません。これは、ほかの店に客が行かないようにするためにしているのです。

 

もし、独占販売権を手に入れたらどうするでしょうか?安売りなどする必要はなくなり、むしろ、独占販売権を手に入れるために使った莫大なお金を回収しようとするはずです。こうして価格は上がり、インフレーションが起こります。

 

結局、商人の手のひらで遊ばされているだけです。販売権を与えれば幕府の収入にはなりますが、そのお金を使うときには、インフレで物価が上がっていて、価値は下がっているのです。





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