浄土教の阿弥陀仏と阿弥陀堂

浄土教の阿弥陀仏と阿弥陀堂

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浄土教はその考えのみならず、絵画や建築、彫刻などの分野でも、とても良い作品を生み出す原動力となっています。とくに、各地に阿弥陀堂が建てられ、ここには阿弥陀仏が安置されました。

 

浄土教の阿弥陀仏と阿弥陀堂

 

なかでも平等院鳳凰堂は、代表的な阿弥陀堂で、藤原頼通によって宇治に建立されました。これは末法元年といわれた翌年の1053年に建てられたものです。末法な世の中になったら、この世に望めることはもう何もないので、せめてあの世に行って幸せになることを願う、という考えのもと、自分を極楽浄土に導くためのものをつくったわけです。

 

そのほかには、仏像彫刻が多くつくられるようになり、特徴としては、木造の寄木造であることがあげられます。部分ごとに造った仏像を、最後に組み合わせて一つの仏像に仕上げていくという技法です

 

この頃はみんな極楽に行きたくてしかたがなかったので、自宅に仏像を置いて拝みたいと考える貴族などが急に増えて、大量に仏像を作る必要が出てきました。以前の一本造ですとそれなりに時間がかかっていましたが、寄木造によって大量に短時間で造れるようになりました。そのときの社会情勢によって、文化はどんどん変わっていくのです。

 

 

この時代の傑作といえば、平等院鳳凰堂に安置された定朝作の阿弥陀如来像です。絵画の分野では、来迎図がよく題材に選ばれています。まもなく死亡する人のところに、阿弥陀様がたくさんの従者を連れて、仏の世界からお迎えに来る、という様子が描かれています。特に平等院鳳凰堂の扉絵にも描かれている高野山聖衆来迎図が有名です。





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